障がいがあろうとなかろうと、否定されず受け入れられる。だから多様な人が活躍できる【全国お仕事紹介センター】
ランスタッドの全国お仕事紹介センター(NJC)は大きく分けて1課とチャレンジド(※)が所属する2課に分かれています。全体で現在80名の社員が所属していて、チャレンジドはその半数以上を占めています(2024年5月)。
(※ランスタッドでは障がいを持つ社員をチャレンジドと読んでいます)
チャレンジドが多い、というと、アシスタントやサポートの業務を想像されますか?
NJCはスタッフさんに派遣のお仕事を紹介するコーディネーターのチームです。チャレンジドも当たり前のように同じ業務を行い、全員が数字の目標を持っています。
その中で働く私たちはこういう環境が「当たり前」に感じていますが、外から見たら「障がい者採用のイメージと違う!」と思われるかもしれませんね。チャレンジドとしてNJCに入社し、活躍されているいわおさん、おかもとさんに、チャレンジドから見たNJCについてお聞きしました。インタビューは同じくチャレンジドののなかです。
■全国お仕事紹介センターの業務内容の概要
年末年始以外は年中無休、夜間も営業(9:00~21:00)。求職者が希望する日時に面談を行い、コンタクトを取れる体制を取っている
各地の支店と協力し、複数の支店をまたいだ求人を紹介。求職者のニーズに合わせて幅広くお仕事を紹介
全員のメンバーが完全在宅で業務を行うチーム
これまでのキャリアは? 営業、検査、マネジメント、物流…
―――これまでのキャリアについて教えてください。
おかもと:私はまず新聞の営業の経験があります。法人営業、個人営業、両方ありますね。6年ぐらいですか。もう99%外回りで。その後は製造業ですね。建設機械の品質保証部の検査部門にいました。
―――現在の全国お仕事紹介センター(以下NJC)でのお仕事と、今までのご経験はすこし異なるような気がしますが、どうでしょうか?
おかもと:私のなかでは、逆に違いが少ないと思ってるんですよ。いいか悪いか、しっかり合っているものを見つけていく、答えを出すことが検査の仕事なんです。
お仕事を紹介するときに、お一人お一人のスタッフさんのお話をお聞きし、ご希望のお仕事についての答えをいただいて、お仕事の紹介につなげていく…そういう進め方が検査の仕事と通じるものがあるんです。
―――なるほど。いわおさんのキャリアはいかがでしたか?
いわお:僕はずっと店舗で、最初はスタッフから入ってその後マネージメントをやっていました。
その後、いずれは地元に帰りたいなと思っていたので、異業種だったんですけど旅館の仕事に飛び込みました。ですが1年半後くらいに熊本で地震があってそこでの仕事がダメになってしまって。
そこでどうしようかなと思ったときに、物流の動きを知らなかったので、そこを勉強しようかなと思って6年ほどEC企業で働かせてもらいました。
仕事をしていくなかで障がいを得て
いわお:そんななかで大病を患ってしまって、そこでいろいろ検査しているなかで今の障がいが見つかりました。
そのとき勤めていた企業では昼も夜も24時間働かなきゃいけなかったので、体力的にしんどかったんですね。
今後自分が働くうえでどういう働き方がいいかなと思った時に、やっぱりちゃんと自分の状況を知ってもらって、無理をしない環境のなかで長く働きたいなっていう思いがあってここにたどり着いたって感じです。
―――そうだったんですね。お二人はこれまで障がい者採用でお仕事はされていましたか?
おかもと:新聞の営業をしているときは私は障がいを持っていなかったんです。工場勤務のときに障がいを持って、配慮をしてもらっていましたね。でも障がい者枠ということではありませんでした。
いわお:僕も障がい者採用で入ったのはランスタッドが初めてですね。やっぱり無理したくないですし、自分が辛いときに言える、周囲にも周知できる環境であればそんなに気後れすることなく働けるかなと思って。
障がい者採用で全国お仕事紹介センターを選んだ理由
―――では初めての障がい者採用での応募となった際に、お二人が全国お仕事紹介センターを選ばれた理由はどんなところだったんでしょう。
おかもと:私は在宅勤務というところと、架電業務の多さが魅力でしたね。営業時代もアポなしで個人宅や法人に行っていました。結局、人が好きなんですよ。
最終的には仕事を探しているスタッフさんと、仕事を募集している企業で、人と人がつながるんですよね。もう私は得意とかではなくて、好きなだけという。
いわお:僕は在宅っていうのはどちらかというと後で知ったような感じでした。
仕事を探す際は障がい者枠と通常枠の2軸で探していました。面接では、会社のサイトなどに書かれていることと、面接官の話していることで違いがないかを確認ベースで考えていました。ランスタッドではそれが結構近かったので入社しました。
「やってみよう精神」とフォロー体制
―――私はNJCは働くうえでストレスが少ないな、と思っているんですが、お二人は働きやすさなどどう思われてますか?
おかもと:結局、働きやすさで言ったら、私、今まで経験した業種の中で一番です、はい。どの辺がかというと、抽象的ですが「やってみよう精神」とフォロー体制があるということ。
まずはやってみようという考え方が大好きなんですよ。会社でもそれをめちゃくちゃ感じてて。前例のないことに対して挑戦できるか。できるできないではなくて、やるかどうか。
いわお:やっちゃだめ、ではなくて、まずはやってみようと。
おかもと:それでやりたいって言ったことに対して否定的ではない、プラスしてその結果が出るまでやっていいっていうね。
―――たしかにそうですよね。フォロー体制の働きやすさについてはどの辺なんでしょう。
おかもと:1on1(※)で上長とコミュニケーションが定期的に取れるっていうところがフォロー体制だと思っています。私は1on1ということはこの業界に入って初めてだったんですよ。
(※1on1:マネージャーと部下の1対1の定期面談のこと)
いわお:僕自身は、前職で1on1自体はあったものの、名ばかりになってしまう感じで。でもNJCでは毎週ちゃんとしてくださるので、自分の気持ちとか考えを相談できて、上司が汲み取ってくれるっていう環境が一番いいと思っています。
主体性が重んじられるから、いろんな価値観が共存できる
―――話は変わるんですが、全国お仕事紹介センターにはいろいろな方が集まっていますよね。事務の経験者だけではなく、飲食や製造業、物流などの様々で、年齢も20代~60代までいる。
私たちは「キーボードが使える」、あと「人が好き」という2点だけでつながっている気さえしているんです。
いわお:スキルっていうものじゃなくて、その人そのもの、主体性をちゃんと重んじてくれるから。
だからいろんな価値観っていうものが共存できるし、そこを否定せずに受け入れてくれるから多種多様な方々が活躍できる。
おかもと:多種多様な方が活躍されているからこそ、新しいものが生まれていくんですよね。またやってみよう精神で新しいことに取り組めるっていう。
いわお:どっちかっていうと、いろんな人と話をしても、否定をしないんですよ。その人に対する考え方とか、1意見として見てくれるから、そこは言いやすいし、これは言っちゃだめということがない。
おかもと:そのストレスもないですね。
人を受け入れていく文化
―――全国お仕事紹介センターには、最初のチャレンジド社員として私が2021年9月に1人で入社しました。今から考えると私は「普通の人になれますよ」「障がい者だけど頑張ります」みたいな感じで入っちゃったんです。
そのあと、2021年10月におかもとさんたちチャレンジド社員が7~8人入ってきて、自己紹介からとてもユニークだったんです。そのあとから障がいがあるとかないとか関係なく、その個性をそのまま出せるような雰囲気になったのかなと自分は思ったんです。
いわお:表現が悪いかもしれないですけど、健常者っていわれている方から「全然問題ないですよ」と言われてもリアリティがないんですよね。自分が障がいを持つ立場になったときに初めて、今までとは違った目線というか、視点というかを得て。
それでもそんなに、僕が今まで働いた環境となんら変わりもなく、気負いすることがないっていうのが、この会社のいいところなんじゃないかなって思いました。
簡単に言えば「文化」なんですけど、文化って結局「人」が作ってる。変に否定されることなく、全員が受け入れてくれてるのはすごいなって思います。単純に。
一般の社員が所属する部署とのコミュニケーションは?
―――マネージャーや1課(※)とのやりとりはいかがですか?
(※1課は一般社員が所属、2課はチャレンジドが所属)
いわお:私はスペシャルミッション課という、1課・2課に分かれていない部署なんですよ。こちらから別のチームに連絡する際に「1課だから」「2課だから」と意識したことはないです、はい。そういった意味ではフラットな感覚です。
―――私が所属しているチームの1課も2課の障がいだけでなく年齢なども含め、フラットだと感じます。1課の方から不要な配慮のない、ストレートなチャットが来ることもあって、すごくいいことだなと感じています。
おかもと:おっしゃるとおり、先輩後輩、年上年下っていう壁もないといえばないですね。年が上だったら立てるとかそういうしきたりという感じはないですね。
いわお:コミュニケーションという面でいうと、在宅勤務でのメリットデメリットはあります。デメリットとしては踏み込めない、限界があるので、もどかしいなと思うことはありますね。
会ったことがない方々の要望や気持ちを推し量ることができないところはあります。手軽さはあるんですけど、伝えられる内容に限界があるのかなって感じで。
全員チャレンジドという環境は?
―――同僚がみんなチャレンジドの環境でのお仕事っていい点、悪い点はどうですか?
おかもと:個人の持つキャパ以上のことは極力発生しない環境です。キャパを越えて仕事が振られたら私、つぶれてしまうんですよ。
いわお:それはすごい感じます。僕は上司は「今これをやって大丈夫ですか?」「これ以上だったら無理だから止めておきましょう」と必ず自分のキャパを確認したうえで仕事を振ってくださるんです。
ネガティブな点をあげるとするならば、今は同じチームでメンバーがお休みされるなど、突発的にどうなるかわからない点は若干負担に思うときもあります。
ただそれはもうしょうがない、お互いさまだなと思いますね。本人も多分、予期せぬ状況でそうなっちゃってるんだろうし、そこは同じメンバーとしてサポートしなきゃいけないなって思いながらやってます。
今後の目標は「結果を出したい」「未来への架け橋になること」
―――最後に今後の目標について教えてください。
いわお:僕は全国お仕事紹介センターと他部署とのコラボになる新しいプロジェクトに参加させてもらっています。その結果を出してみたいですね。
おかもと:目標は、私自身は未来への懸け橋になりたいです。「a bridge for the future」これ書いてくださいよ(笑)。
お仕事を紹介して入社する方がいっぱいおられるのでね、これはスタッフさんと企業の架け橋になってるんですよね。生涯現役で未来の懸け橋になっていきたいです。
―――今日は普段できないお話ができてうれしかったです、ありがとうございました!
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