ランスタッドのブランドプロミス「human forward.」ってどういう意味?ランスタッドジャパンでブランドを司る河野頼子に聞いてみた
「human forward.」とは、ランスタッドホールディングス全体で皆さんへの約束として掲げてる大切な言葉です。
この言葉は日本語に直訳すると、「human=人」「forward=前へ」という意味になりますが、直訳すると少し分かりづらいこともあり、「いまいちピンとこない‥」という声も社内外で時々耳にします。
社内では、ブランドについての理解を深めるワークショップを定期的に開催していますが、今回はワークショップの代わりに、ランスタッドジャパンでブランドを司る河野頼子さんに「human forward.」の意味や具体的な経験についてを取材しました。
「human forward.」とは、人生を一歩進めた体験や、それをサポートする意志のこと
――早速ですが、「human forward.」って、すぐにピンと来るワードではない気がしていて。河野さんはどうやって「human forward.」を理解されたのでしょうか?
実は私、「human forward.」のコンセプトが決まった時にグローバルの研修を受けるためにベルリンに行ったんです。そこで、どういうコンセプトなのかを理解するために、自分にとっての「human forward.ストーリー」を一人ひとり語っていく研修に参加しました。
その研修を通して、「human forward.」って、「人生を一歩進めた!」という体験や、その体験をサポートしようとする意志のことなんだ!と理解できたんです。
ランスタッドは「人と組織の真の可能性を引き出す」をパーパスに掲げているのですが、誰かに自分の可能性を信じてもらえることや、背中を押してもらえることって、本当に素敵なことだと思うんですよね。
自分の人生かもしれないし、他の人の人生かもしれないですが、可能性を引き出して、人生を一歩進めた体験を一人でも多くの人ができるように応援することが、ランスタッドの役目なんだと思っています。
――人生を一歩進めた体験、河野さんはどんなことをお話しされましたか?
広告代理店にいた時のエピソードを話しました。
当時はお客さんに自分が考えた企画やクリエイティブを提案する仕事をしていたのですが、お客さん先へ提案に行く度に毎回ドキドキだったんです。元々人前で話すことがあまり得意ではなく、準備も勿論しますが本番はいつも緊張して、何度も提案書を見返して、心配で頭がいっぱいでした。
ある日、いつも通り緊張しながら、自分が考えた提案とその背景にあるコンセプトを説明した時に「河野さん、センスいいね。よく考えられているのが伝わったよ!」と提案先のお客さんから声掛けしてもらえたんです。
まさか、自分の提案したものが名指しで評価してもらえるなんて!と思いました。
これがキッカケとなって、提案するときの心配をする頻度が減っていきました。もっと色んな工夫ができるんじゃないか、相手の喜ぶものが作れるのではないか‥‥と、試行錯誤する余裕が出てきたんです。
――人生が一歩進んだ、気持ちが切り替わった感じですね。
そうなんです。それまでは、提案を考えることは好きでしたが、客先に行って提案することに勇気がでなくて。でも、そんな気持ちが一歩進んで、提案することにもワクワクできるようになったんです。
ランスタッドに入ってからも、ノベルティやWEBバナーなど、クリエイティブを作るときはいつもワクワクしています。支店の方やCEOのポールさんに「河野さんのクリエイティブいいよ!」と言ってもらえたこともあって、嬉しかったですね。
やっぱり、応援してくれる言葉って大事だなと思っています。
誰しもが必ず、「human forward.」な体験を持っている
――河野さんのエピソードは正に「human forward.」でしたが、一方で、私にはそんな体験が今までにあったのだろうか‥と少し不安を覚えました(笑)
大丈夫です。必ず、あります!
中途社員研修やワークショップをやる時も「そんな経験、私にはない‥」って、最初は大半の方が思うようなのですが、ワークを進めると皆さん必ず体験していることに気付くんです。
例えば、お客さんに評価されたこと、部下や同僚、上司に感謝されたこと、誰かに「あなたならできる!」と背中を押してもらえたこと‥‥
誰かに言ってもらえた励ましの言葉が、自分の中で何かのキッカケになって一歩進んだ体験って、必ず皆さん持っていると思います。
人それぞれ、良いところって必ずあるじゃないですか。
その良いところって、見つけてくれた人や認めてくれる人が必ず居て、はじめて自分自身も自覚できるようになることだと思うんですよね。
自分の人生を改めて振り返ってみると、誰かの応援で一歩前に進めた体験って、意外とあるんだなと気付けると思います。
まだ自分が誰かの一歩を進めた体験がなければ、これから作っていけばいいし、今まで自分が体験したことがあることを、今度は私たちがスタッフの皆さんや他の誰かに還元していくことが私たちの使命なのかなと思っています。
まだまだ課題は多いけれど、取り組んだことは必ず返ってくる
――私たちの使命というワードが出ましたが、私たちは今、きちんと「誰かの人生を一歩進めるサポート」ができているのでしょうか?
正直、まだまだ課題は沢山あります。でも、私たち自身、誰かの人生をサポートするために一歩ずつ確実に進んでいると思います。
その証拠に、この間スタッフの皆さんに「human forward.ストーリー」というものを募集したのですが、想像以上に沢山の方が応募くださいました。
――当初どのくらいを見込んでいて、どのくらいの応募があったのですか?
最初は本当に10名くらいかなと思っていました。自分の話を応募するって気恥ずかしいところもあると思うので‥‥でもフタを開けてみたら、延べ800名以上の方からのストーリーが集まったんです!
それも、それぞれのエピソードがとっても素敵なんです。
ここでは紹介しきれないのですが、応募された方からも「他の方のエピソードもぜひ読みたい!」というお声が寄せられたので、募集した「human forward.ストーリー」は、今後noteでもご紹介したいと思っています。
――良いですね!noteで読めるのは楽しみです。
「誰かの人生をサポートする」という点で、もう一つ、スタッフの皆さんと直接お会いした時の体験もシェアしたいです。
今年は、ランスタッドケアという就業トータルサポートプログラムをランスタッド全社でスタートさせました。
その一環で、スタッフの皆さんに日頃の感謝を伝えるためのthank youイベントを全国各地で開催しているのですが、対面でお会いした方に「ランスタッドのおかげで、今の自分がある」と声掛けいただく機会がありました。とても嬉しくて、グッときましたし、同時に身の引き締まる思いでした。
私たちが感謝を伝えるためのイベントでしたが、結果的に私たちも沢山の感謝をもらったんです。これってすごいことだなと思います。
ランスタッドのコンサルタントやコーディネーターの皆さんが、日頃から一生懸命就業サポートをしているからこそ、スタッフの皆さんも声を返してくださる。皆さん、私たちの取り組みをきちんと見てくださっているんです。
まだ課題は沢山ありますが、私たちがやっていることは決して間違いじゃないんだなと思います。
ランスタッドケアで「human forward.」を作っていく
――ランスタッドケアは、誰の、どんな思いから始まったのでしょうか?
当初の発案はCEOのポールさんですが、企画や実行はDX部の中村雄一さんと私が組み立てました。今では、支店で現場の皆さんが主体となって運営してくださっています。
私自身の思いとしては、これまでの転職経験や広告代理店時代に出向していた経験が活きていますね。例えば、転職や出向の直後に、オフィス内の色んなモノの場所も分からないし、皆さん忙しそうで聞きづらいし、何となく肩身が狭い思いをしたことを覚えています。
この経験を派遣で働いてくださるスタッフの皆さんに置き換えると、転職して入社した直後って、やっぱり分からないことが特に多い時期だと思うんです。
そういう時に、誰か一人でも聞ける人がいたり、聞きやすい環境を整えてもらえたりといった、フォローアップ体制のある働きやすい環境が整備されていることは、とても大事なことだなと思います。
それが今「ランスタッドケア」というプログラムになって、コンサルタントやコーディネーターの皆さんにも、派遣先の職場の皆さんへ掛け合っていただいて、形になってきている状況です。
――ランスタッドケア、素敵ですね。ランスタッドケアは、「human forward.」とはどう関係していくのでしょうか?
ランスタッドケアで「human forward.」を作っていく!ですかね。
ランスタッドケアを推進するためには、スタッフの皆さんの声を良く聞き、より理解していく必要があると思います。
より理解することで、皆さんのタイミングに寄り添った適切なサポートができるようになれば、それは他社と異なる点としてランスタッドの差別化にも繋がると思っています。
リブランディングの先に、河野頼子が見据えるもの
――ランスタッドの差別化というお話しもありましたが、河野さんとして、今後ランスタッドでこんなことをやっていきたい!という構想は何かお持ちですか?
まずは引き続き、ランスタッドの知名度やブランドイメージを向上させることに取り組んでいく必要があると思っています。関連することでいえば、今年の夏頃からグローバル全体でリブランディングを始めています。
リブランディングは、「これからはもっと社外にランスタッドのブランドコンセプトや世界観を伝えていく必要があるよね」という発想から始まったものです。
来年から本格的にリブランディングが始まる予定ですが、一人ひとりのストーリーを「human forward.ストーリー」のように、エモーショナルに伝えていくという点が今回のリブランディングのポイントです。
――リブランディングの先に、河野さんがランスタッドとして何か目指すものはありますか?
そうですね‥‥。
スタッフの皆さんも含め、ランスタッドで働いている皆さん自身のステータスを上げられたら良いなと思います。
「ランスタッドで働いてる=活き活きと格好よく働いている人なんだね!」という風に、家族や友人に自慢できるような‥‥働いている人のステータスを上げられるようなブランドに育てていきたいです。
――素敵な未来ですね。ぜひ、みんなで一緒にブランドを育てていきましょう!
ブランドを司る、河野頼子の原動力
――ここまで「スタッフの皆さんのため」「ランスタッドのため」に奔走する河野さんのことを伺ってきましたが、河野さんご自身は、どんなお気持ちで日々の仕事に取り組んでいらっしゃるのでしょうか?
私は、仕事で大変な思いをする人を1人でも少なくして快適に働ける社会にできたらいいなという思いでやっています。
広告代理店で働いていたころは仕事は楽しかったのですが、とにかく終電での帰宅が当たり前で、めちゃくちゃ忙しかったんです。やりがいがある反面、心身ともに疲弊していく人も多く、私も土日は一息つくだけといった生活でした。
でもこれって、その人自身ではなく、その体制に問題があるのではないかと思っていて。でも、仕事の影響で身体を壊した人たちは、その後も長い間大変な思いをする。そういう方を沢山見てきたので、そんな人を1人でも少なくしたいなと強く思います。
――それは壮絶な経験でしたね。6年前、ランスタッドへ転職された時も、なにか人材業界に思うことがあってのご入社でしたか?
あ、業界については、最初は何も決まっていませんでした!(笑)
ランスタッドは面接担当の方の雰囲気が良かったことと、ポジションが自分がやりたい仕事にマッチしていたことで入社を決めました。
でも人材業界は文字通り「人」に関わる業界なので、結果的には、仕事で大変な思いをする人を1人でも少なくしたいという思いも繋がって、これまでの自分の経験を活かして働けています。
――ちなみに、河野さんにとって仕事が楽しい、心地よいとは、どんな状態でしょう?
自由に働けることと、ワクワクできることですかね!
例えば、自分の判断や感覚でクリエイティブを決められることは嬉しいですし、新しいクリエイティブ‥‥ノベルティが出来上がったときには、本当にワクワクします!
自分に合った仕事を見つけることって本当に大事だなと思っています。
――確かに、自分に合った仕事を見つけることって、個人としても、ランスタッドとしても大事なポイントですよね。
そうですね。自分に合った仕事だと感じるポイントは一人ひとり違うので、ランスタッドとしては、一人ひとりにピッタリな仕事を見つけていく、色んな人が働きやすい職場を増やしていくことが大事だなと思います。
そして、一人ひとりに合う仕事を見つけるためには、「human forward.」な関わりが必要不可欠です。
「human forward.」な関わりとは、それぞれの方の声をよく聞いて、相手を理解しようと努め、相手の可能性を見つけ出し、自分に何ができるかを考えることです。
私たちにも、今まで誰かの応援や励ましの言葉から、勇気や自信をもらって前に進んだ経験があると思います。
それを今度は私たち自身が、スタッフの皆さんや他の誰かの中に可能性を見出して、応援や励ましをして、その方が一歩進むためのサポートをしようという気持ちこそ、ランスタッドの「human forward.」だと私は思います。
――「human forward.」について、今回の取材を通してよく理解できました!今日はお話ありがとうございました。
次回は、今月ランスタッドを去ってしまうマーケティングメンバーの薄葉 裕樹さんへ、転職の動機や今後のキャリアへの展望についてをお伺いする予定です。
お楽しみに!
最後まで読んでくださり、ありがとうございました!