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運転に関するお仕事は全部!?謎多きドライバー事業部にどんな仕事をしているか聞いてみた
オンラインでポチッと購入したら、すぐに欲しいものが届く便利な時代。ブラックフライデー、クリスマスプレゼント、初売り…など、今年の年末年始も配送業者さんに頭があがらない…!と感じた方も多かったのではないでしょうか?
総合人材会社であるランスタッドには、ドライバーの求人を扱う事業部があります。しかし、社内でもその事業内容はあまり知られていません。今回はドライバー事業部の神奈川支店長の鈴木彩乃さんにお話を伺いました。
ドライバー事業部ってどんなことをしているの?どんなチーム体制で取り組んでいるの?といろいろと聞いてきました。
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鈴木 彩乃
ドライバー事業部 神奈川支店 支店長
神奈川県藤沢市生まれ。転勤族だった為日本各地を転々。現在は神奈川県横浜市在住。東京都内にある、商業高校卒業後、経理としてインフラ企業へ入社。経理、人事(採用)を経験し、2015年にランスタッドへ入社。現在は神奈川支店の支店長として躍進中。
鈴木さんのキャリア—— ペーパードライバーから支店長へ
―はじめに鈴木さんがランスタッドに入社するまでの経歴をお聞きしてもよいでしょうか?
鈴木:高校を卒業してすぐに経理に就職しました。その会社で3年ほど働いたのですが、人事をやりたい気持ちがあったので退職しまして、派遣スタッフとして企業で新卒採用に担当していました。
仕事自体はすごく楽しかったんですが、派遣元の担当者の対応にいろいろ思うこともあって…。不安を感じながら仕事するのも嫌だなと思ったのと、自分の経験を活かしたら派遣スタッフの働きやすさを作れるんじゃないかと思うようになり、ランスタッドに応募しました。
―派遣スタッフ時代の経験を活かして、もっとできることがあるんじゃないかと思ったんですね。もともとドライバー事業部での応募ではなかったんですよね?
鈴木:そうですね。面接官がドライバー事業部のマネージャーだったんです。最初に、「ドライバー事業部っていうのがあるんだけど、ドライバーって興味ある?」って聞かれたんですけど、ペーパードライバーで全然運転もしていなかったので「全然興味ないです」って答えました(笑)。
ただ、私を選んでくれた会社なんだから、やってみようと思ったんです。外資系の人材会社が高卒の私を雇ってくれるなんていうチャンスはそうないだろうなと。期待に応えられるように挑戦してみようと入社を決めました。
もともとはコーディネーターとして応募したのですが、2次面接のときに、「あなたは営業の方が合っていますよ」って言われて。そうなのか…って思って(笑)。そこからドライバー事業部のコンサルタント(営業)です。
―実際に入社してみていかがでしたか?
鈴木:入社は神奈川支店だったのですが、すごくいい環境でした。当時は、人数も少なかったので基本的には全部自分たちでやっていたのですが、その分いろいろな経験もできて。のびのびと働いているうちに来年10月で入社10年になります。途中、他支店の異動も経て、2023年からは神奈川支店の支店長をやらせてもらっています。
実は、当時の上司が現在の夫となり、一緒に働いていた先輩は現在名古屋支店の支店長を務めているなど、人間関係にも恵まれました。
全国5拠点50名、運転に関するあらゆる仕事を手配するドライバー事業部
―実はドライバー事業部についてあまり知らないので、改めて教えてもらっても良いですか?
鈴木:社内でもよくわからないという人は多いんですよ(笑)。ドライバー事業部は、私のいる神奈川支店のほかに北関東、埼玉、東京・千葉、名阪の支店があります。支店のコンサルタント(営業)のほかにサポートしてくれるオペレーションセンターがあり、全体で50人くらいの社員が在籍しています。
―どんな方が働いているんですか?
鈴木:コンサルタント(営業)は7割くらい男性ですが、オペレーションセンターはほぼ全員女性です。リモートワークOKで、一部時短も可能なので、ママさんも多く活躍されています。各チームでチャレンジドの方も活躍されていますね。20代から30代の社員も結構多いです。
―ドライバー事業部の業務についても教えていただいてよいですか?
鈴木:期間限定で従事してくれるドライバーを派遣するというケースと長期でドライバーとして働いてもらう人を派遣するケースがあります。今まさにですが、物流が急増する12月はどうしても運送会社のドライバーが不足するので。人手不足解消、長時間労働是正のために派遣してほしいというご相談の多い時期です。
長期勤務のケースだと献血バスや献血運搬車、老人ホームの送迎バスのドライバーなど、「長くご一緒できる方を探してください」という相談もあります。
―物流ドライバーがメインなのかと思ったら幅広いんですね。
鈴木:動物愛護センターで動物を回収しに行く、駅と工場間の従業員の送迎、自動販売機の補充用の車の運転…なども、私たちドライバー事業部で請け負っています。面白いものだと地図アプリの写真を撮影する車とかもありますね。
役員送迎などハイクラス向けの案件は増えているので、プロフェッショナルなカテゴリーも作りたいと構想を練っているところです。ドライバー派遣だけでなく、ドライバーの人材紹介までできたらいいなと検討しています。
―お取引先はどういうところが多いんですか?
鈴木:物流業者、大手飲料メーカーはもちろんですが、車両メーカー、外資系ディーラーともお取引しています。新車を運んだり、車検場に持ってくための積載車のドライバーもありますし、完成したトラックの試験運転を依頼されることもあります。とにかく運転する仕事は全てドライバー事業部で対応させていただいています。
―お取引先はどうやって探すんですか?
鈴木:「ドライバー募集」の求人広告を見てお電話することもありますし、ランスタッドの常勤でお取引があるお客さまのところに紹介してもらうこともありますね。
―派遣登録されているスタッフさんはどんな方が多いのでしょうか?
鈴木:もともとタクシー運転手、観光バスや路線バスの運転手をやっていたという方もいらっしゃいますし、ドライバー未経験の主婦や20代前半の方もいます。男女比もバラバラです。特殊な免許も必要なくて。トラックを運転していただく方は大型免許が必要ですが、普通免許があればできるお仕事はたくさんありますよ。
3ヶ月に1度のオフラインミーティングで支社を超えた交流も
―ドライバー事業部ならではの働き方の特徴ってありますか?
鈴木:毎月1度はオンラインで、3ヶ月に一度はオフラインで集まって全体会議をしているのは特徴かもしれないですね。事業部が離れていても3ヶ月に1度会って交流しているからか、支店間の壁がないんです。北関東支店のコンサルタントの方が、ダイレクトに「彩乃さーん!相談いいですか?」って質問くれることもありますよ。
―支店を超えて相談できるってすごいですね。
鈴木:支店長同士が仲いいんですよ。同じ世代で、一緒に苦労してきた仲間なので。みんなプレイングマネージャーということもあり、常に現場の視点で情報共有し合っています。あとは私も他の支店長も、常に現場の社員と同じ目線話すようにしているというのも風通しがいい理由かもしれないですね。
意見をぶつけ合うことはもちろんありますが、それもすべてドライバー事業部をよくするため。3週に1回、支店長だけ集まってやる「タスクフォース会議」では、今現場で問題が起きていることを議題にして、新しいルールを決めたり、どうやって現場に落とし込むのがいいかを話し合っています。
入力ミスが多いという問題があったら、テンプレートを作ってみようかみたいな感じで、現場のちょっとした問題もすぐに話し合うんです。人数が少ないから、トップダウンにならずにできているというのはあると思います。
―少人数だったり、支店数が多くないからこその連携があるんですね。
鈴木:それはありますね。各自の働きぶりを見てもらいやすい環境なので、頑張り次第では、昇格はしやすい事業部だと思いますよ。実際、私も10年で支店長までやらせてもらっているので、結果を残せばしっかり評価してもらえるのでやりがいにも繋がっているのではないでしょうか。
チームで挑むから協調性が大事!
―今、ドライバー事業部の社員の求人もしていますが、ドライバー事業部にフィットするのはどんな方だと思いますか?
鈴木:協調性がある人でしょうか。横との関わりが多いので、協調性を持ってみんなの意見も聞き入れながら一緒にやろうという姿勢がある方はフィットしやすいチームだと思います。あとは、あんまりクヨクヨ悩まず切り替えられる性格だといいかもしれないですね。
ドライバーの派遣は、急な欠員が出るとお客様への迷惑が多大だし、世間が休みになる年末年始もノンストップで動いたりするので、トラブルがあっても切り替えて調整していかなきゃいけないところがあるんです。でも、ドライバー事業部のみんなもそこを理解しているし、経験したことがあるから、フォローしてくれる。そういう意味でもみんなで協力することが多いので、協調性があるタイプの方は働きやすいんじゃないでしょうか。
―そうなんですね。業務は結構忙しいんですか…?残業とか、リモートワークはどの様な感じなのでしょうか?
鈴木:残業は少ないと思います。忙しくても月20〜30時間の基本残業時間内がほとんどです。先ほどもお話したようにうまくいかない問題があったり、効率が悪くなることがあれば、すぐに改善する体制があるので、結果的に残業時間は少なくなるのかなと。
有給もしっかり取れますし、フレックス出社、在宅勤務もちろんOKです。コンサルタント(営業)だとそれができにくいんじゃないかと思われることも多いのですが、うちの場合はコンサルタントもコーディネーターも変わりなくできていると思いますよ。
前日遅くまで作業していたり、打ち合わせがない日には、「今日はリモートでいいよ」と私から提案することもありますね。私もなるべく残業をしたくないし、家にいたい派なんですよ。家で犬や鳥たちを飼っていて、一緒に過ごしたいので(笑)。
―自由な働き方のなかで、どうやってチーム感を作っているんですか?
鈴木:カレンダーアプリでのスケジュール共有を徹底していて、そこでそれぞれの動きがしっかりわかるようにはしています。未経験でうちの事業部にいる子も結構いるのですが、教えるところは教えるし、自分で考えて動いてもらうところは自分で動いてもらうので、みんなしっかり活躍できるようになっています。
―今、神奈川支店のドライバー事業部にはどんなご経歴の方がいるんですか?
鈴木:事務職を経験していた子もいますが、接客業をやっていた子もいるし、整体師だった子もいます。みんな業界はバラバラです。私と同じペーパードライバーの子もいますよ。デスクワーク経験があまりなくても、やる気があって学ぶ姿勢があれば活躍できる職場だと思います。
―お話を聞いて、鈴木さんがドライバー事業部に面白さを感じて、楽しんで働いてらっしゃるのがよくわかりました。最後に、鈴木さんがドライバー事業部に面白さを感じているのってどのあたりなのか教えてください!
鈴木:なによりもドライバー事業部のメンバーがいい人たちばかりなんです。それが一番です。お客さま方も基本的な礼儀はもちろんとして、人情味がある方が多いですし。事業部もお客さまも話好きが多いので、楽しい環境だなといつも思っています。
――普段あまり知ることのなかったドライバー事業部の業務と支店の雰囲気をたくさん教えてもらいました。貴重なお話をたくさんありがとうございました!
【取材・編集後記】
結束力が強く、いつも和気あいあいとしているドライバー事業部を代表する鈴木さん。フラットなチーム構成と鈴木さんの明るくポジティブな人柄から成り立っているのだなと痛感しました!
そして、インタビュー後には、さまざまなドライバーさんを見かける度に ランスタッドでご就業いただいているのかしら?と心の中で「寒い中、ご修業ありがとうございます!」とささやいてしまいます... (やすだ)
取材:長谷川美果
執筆:花沢亜衣
編集:水野圭輔、安田和代