外資系企業の1年目マーケが、Jリーグのクラブチームとのパートナー契約締結までに奔走した、激動の3ヶ月を振り返る
私たち、総合人材サービス会社のランスタッドは、2023年3月1日付で横浜F・マリノスとのオフィシャルパートナー契約を締結しました。
このnoteでは、横浜F・マリノス(以下、F・マリノス)とのオフィシャルパートナー契約に至るまで、社内外でどんな調整をしていったのか、今回のプロジェクトをメインで担当したランスタッドマーケティング部、1年生のはせがわが紹介します。
社内プレゼンまで1週間
昨年の暮れ、2022年12月12日、ちょうど日本中がサッカーの話題に湧いていた頃、私は先輩社員のNさんとKさんに呼び出されていました。
そのミーティングでF・マリノスとのオフィシャルパートナー契約の構想を聞き、私が「楽しそう、いいですね!」と答えたとき、全てが始まったのです。
プロジェクト企画に任命され、この文章を書いている私は、社会人歴は5年、そのうち4年を営業職として過ごし、マーケティング職になって1年弱。
まずは目の前の仕事を回せるようにしないと!という一心で過ごした1年目だっただけに、企画やプレゼンをすることもほとんど無く、最低限の予算を持って、日々を全力で回していた私にとって、それは大きすぎる話でした。
(こんな大きな企画、私にできるのだろうか‥‥でも、やってみるしかない。)
今までは企画をするといっても、自分ができる範囲のことしか企画してこなかった私。誰かを巻き込んで、プロジェクトとして進めていく企画は初めてでした。
この時点で、2023年Jリーグ開幕まで、あと67日。
ビジュアル?ロジック?エモーション・・?知らないことだらけの企画立案
まずはランスタッド社内での承認を得るべく、本部長へのプレゼン資料づくりに取り掛かります。チームを組んでの企画は初めての経験でしたが、はじめにこうした点を洗い出しました。
私にミッションを課した先輩2人にサポートをしてもらい、これでイケる!と思った私にとっての初戦、プロジェクト担当への任命から1週間後、12月19日の本部長プレゼン。
精一杯のプレゼンはできたものの、まったく歯が立たず、悔しい結果に。そしてまず感じたことは・・・ロジックってどうやって考えるの??
すぐさま、先輩2人と作戦会議を開催しました。そこでこんな言葉をもらいます。
今となっては理解できますが、この当時は、正直、言っている意味が半分くらいしかわかりませんでした。でも、やってみるしかない。
そして、やさしくて情熱的でまじめなF・マリノスの営業さんにも必要な情報を一つ一つ丁寧に教えていただき、資料づくりをサポートしてもらいながら、資料のアップデートを始めました。
企画を通すのは大変だ
年末年始を挟んだものの、その後のスケジュールがなかなか合わず、やっと迎えた社内プレゼン第二試合は1月23日、月曜日。
心強い味方がさらに増え、営業統括担当のHさん、Yさんにもご参加いただき、当初の企画書から+12ページ分の試算や補足説明を加え、アップデートした内容を本部長へ再プレゼンすることに。
これがその時の資料の最後のスライドです。エモい締めとして、私の好きな言葉を添えました。(聞いた皆さんはポカンとしていたので、失敗したかもしれないと思った)
プレゼン後、すこし間をおいて本部長が一言。
お!!!イケるか・・?????
と期待する私。
ああ、オワッタ・・・・・・・・と思ったのも束の間。
「そしたら、もう少し考えるのでまたお時間ください!」と先輩社員からフォローの声。
接戦の末、二試合目も敗戦。
そもそも、企画を何度も練り直し、プレゼンを重ねていくこと自体が初めての私。
(これ、いつまで続くの?本当にできるの?イケるの?イケないの?どっちなの???)
営業としてお客さんに提案するのであればともかく、社内でプロジェクトを立てて、人を巻き込みながら企画するのがこんなに大変だなんて知りませんでした。
とはいえ、ここまで頑張ってきたのだから最後までやってみるしかない。(3度目の決意)
この時点で、2023年Jリーグ開幕まで、あと25日。
とうとう迎えた最終決戦、結果は?
1月下旬には2度、本部長への再プレゼンを重ね、本部長を説得するためにF・マリノスの営業さんにもご協力をいただけることになり、2023年の2月2日、木曜日に社内プレゼンの五試合目が開催されました。
善戦するも、結果は引き分けでしたが、ついに、本部長も本格検討を始めてくれたのです。
F・マリノスの営業さんの交渉術とパッションに支えられ、プロジェクトは大きく前進しました。
そして、準備できることを全部やりきって挑んだ最終戦、2月10日。
この一言をもって、プロジェクトの承認が下りました。
共に試合を戦ってきた、F・マリノスの営業さんへも直ぐにお礼を伝え、すぐさま契約締結に向けて動き出しました。
この時点で、2023年Jリーグ開幕まで、あと7日。
開幕まで1週間
そう、社内の承認が取れた時点で、既にJリーグ開幕が間近に迫っていました。
Jリーグが開幕する2月17日に間に合わせたい。それがダメでも、2月25日に間に合わせたい。(意:契約締結を終えて、きちんとした気持ちでF・マリノスの応援に行きたい)
心置きなく試合観戦をするにはスピードが命と考え、社内の広報担当者とのプレスリリース配信の調整、両社のエンブレムやブランドロゴ掲載の確認、法務審査、そして社内の“購買申請”に取り掛かりました。
私が普段おこなっている購買申請は金額が小さかったため、マーケティングの部署内で完結していました。
でも今回は金額が大きいため、マーケティング、購買チーム×2、ファイナンス、CFO、最後はCEO承認までが必要とわかりました。
この時点で、開幕戦がある2月17日に契約締結まで間に合わせるのは難しいと判断し、ホーム開幕戦がある2月25日を目標にすることにしました。
承認ルートが1人進むたびに承認者に個別で連絡して説明し、「なんとか、2月25日に間に合わせたいんです。」とお願いして、事情を伝えていきます。
皆さんお忙しい中、快く対応してくださり、これなら間に合う!と思った矢先。
本部長から、1通のメールが入ります。
~外資あるある、グローバル本社からの承認が必要になるの巻~
そう。オランダ本社の外資系企業であるランスタッドは、何か大きな企画をするときは本社に確認が必要になることがあります。そして、今回はそのケースにあたるとのこと。
そのため、オランダ本社の承認が得られてからでないと、契約締結ができないことが発覚したのです。
立ち塞がる世界の壁
世界38の国と地域に展開しているランスタッド。そのマーケティングを司るJさんは、もちろん多忙。
今回の企画については事前に知らせていたわけではないため、日本の事情や温度感をゼロからインプットしてもらう必要があります。
この瞬間、Jさんに一発OKをもらうべく、本部長やアジアのマーケティング統括担当であるFさんを含めた団体戦が始まりました。
Jさん向けに資料を作り変えたり、足したり‥‥準備を進めました。
ただ、Jさんとの日程調整は難航し、日本時間の2月24日の朝6:30(オランダは23日の22:30)に、アジア統括担当のFさんからプレゼンを行うことになりました。
(ここで仮に一発OKが出れば、25日にはギリギリ間に合うかもしれない。
でも、本当に社内の準備もままならない状態での発表になってしまう。そうなってしまうくらいであれば、もう少しきちんと準備ができた状態で発表した方が良いのではないか‥‥)
すぐにJさんからの承認が出るとも限らず、これ以上、社内の都合でF・マリノス側にも迷惑を掛けるようなギリギリの状況を続けるのは良くないと判断。
これまで、2月25日の日産スタジアムでの開幕戦までの契約締結を目標に進めてきた私たちでしたが、仕切り直しを決めました。
ついに
そして迎えた2月24日、金曜日の朝。
難しいかもと言われていたJさんへのプレゼンでしたが、アジア担当のFさんが上手く上申してくれた結果、見事に一発OKをもらうことができたのです!嬉しくて、家の中で叫びました!(笑)
ホーム開幕戦に間に合わせることは叶いませんでしたが、2月28日にはF・マリノスの中山社長と弊社CEOのポールとの顔合わせも行わせていただき(記念撮影も!)、本日、3月1日に晴れて皆さんにもご報告することができました。
先輩のNさんとKさんをはじめ、F・マリノスの営業担当のNさん、本部長、営業統括担当のHさん、Yさん、購買や法務審査に関わってくださった皆さん、最後にはアジア担当のFさんまで。
ここまで来るために、本当に沢山の方々の想いやサポートがあって、今回の契約締結に至ることができました。
チーム戦に大切な、早く動いて、早く相談すること
マーケティング1年生、振り返ってみるとなんだかすごい経験をしている気がします。
ここまで金額が大きく、多くのメンバーを巻き込んだ企画立案をメインで担当することは初めてでしたが、そんな私が企画を進める上で意識したことは早く動いて、早く相談することでした。
まずは手を動かして、わからなければすぐに聞いて解決&改善し、要望があれば応えられる材料を集め、関係者へのレスポンスを早くすること。
わからないことばかりだからこそ、まずは下書きレベルでも良いのでとにかく進める。少し悩んだら、人に相談する。
当たり前のことではありますが、相談するにしても、時間があれば修正できる幅が広がるので、「早く動いて、早く相談すること」は大切だなと改めて感じました。
よっしゃ いこ!ランスタッド!
契約締結までのことを長々と書いてしまいましたが、F・マリノスのオフィシャルパートナーになったことを、やっと社内にも社外にもお知らせすることができました。
今日、ここからが本当の始まりです。
F・マリノスというチームや選手、マリノスサポーターの皆さんのことをもっと知りたい。
実のところ、私はサッカーを含むスポーツ全般についてほぼ初心者です。世間で話題の試合はテレビ観戦して楽しむものの、スタジアム観戦の経験はまだありません。
でも、晴れてオフィシャルパートナーになれたのだから、私も全力でF・マリノスを応援していきたい!はやく試合会場に行って、みんなで試合を楽しみたい!!!
今まさにF・マリノスについて勉強をしている真っ最中なので、ぜひ色々と教えていただけたら嬉しいです。
そして、ランスタッドの社内には既に多くのマリノスサポーター、Jリーグファンがいますが、この機会にもっと沢山のメンバーにF・マリノスのことを知って好きになってもらえるよう、今いろいろなタッチポイントを考えています。
パートナーとして、ファミリーとして、皆さんと一緒にF・マリノスを盛り上げていきたいと思っています!これから、どうぞよろしくお願いします!!
ライター:はせがわ(ランスタッド マーケティング&ブランドコミュニケーション本部 ブランドエンゲージメント室 SNS担当)
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