失敗だらけの新卒営業だった僕が一人前になるために工夫した3つのこと
15年前の話をします。
今でこそ、自分で考え判断して仕事を進められますが、僕にも新卒の頃があり失敗だらけでした。
今回は初心に帰って、思い出話をしてみたいと思います。
同じ部署に同期8人、できない自分を痛感
新卒で入社したとき、支店内には3つの課があり、同期が8人も在籍していました。
僕はそのなかではできない方の新卒だったと思います。
8人もいると、できる(習得が早い)子、できない(習得が遅い)子に分かれてくるのも早く、入社早々に自分との実力の差を実感しました。
敬語がままならない
僕は社会で敬語をしっかり使った経験がありませんでした。
学生時代には、一応、焼き肉店でアルバイトをしていました。
でもキッチン担当だったため、大きな声で「いらっしゃいませ!」「ありがとうございました!」くらいしか言うことがなく、声の大きさには自信がありましたが、仕事で声の大きさはあまり必要ありません。
8人の同期は、僕ともう1名男の子がいて、それ以外は女性でした。
みんな学生時代に接客業などを経験していたこともあり、入社当時から敬語がしっかり使えていました。
周りの同期が先輩や上司に敬語で接している中で、僕はタメ口まじりのたどたどしい「ですます調」で接していました。
電話もできない
敬語ができないと何が困るか。
電話対応がうまくできないことです。
入社から間もなく、できる仕事が少ない新卒には電話対応は重要な仕事です。
企業や、当社から就業しているスタッフさんからの電話がかかってくるため、応対の練習も兼ねてまず新卒が出ます。
8人もいると早い者勝ちですが、電話対応に自信のない僕はいつも出遅れてしまいます。
そもそも入社するまで電話の取次ぎをしたことがありませんでした。
隣からOJT担当の先輩のプレッシャーを感じます。
電話に出ている間は、先輩社員が隣で聞いていてくれます。
僕が話している内容を聞いて、メモ書きで指示してくれますが、それを読むことに意識が集中すると、電話が無言になってしまいます。
毎回電話に出るたび、ところどころ若干の沈黙が入りながら、汗をかきながら電話を終えていました。
電話応対は僕にとっては重労働でした。
お客さんに迷惑を掛けてしまった、決定的な失敗
新卒でも仕事に慣れてくると、顧客企業を担当させてもらえます。
最初なので、対応の柔らかい担当者のいる企業を任せてもらえることも多いと思います。
僕がはじめて担当した企業は内科クリニックでした。
受付・事務で勤務しているスタッフさんがいて、就業時のフォローや企業への契約更新の確認などが主な仕事でした。
日中は企業への飛び込み訪問ばかりで基本的に予定がなく、毎日何か予定を入れたいとばかり考えていました。用事があるときには、小さなことでもお客さん先へアポを取って訪問するようにしていました。
毎月発行される請求書も郵送でいいのに、わざわざ営業車を走らせて届けていたのです。
とある月初のこと。いつものように請求書を届けたい旨の連絡をしました。
なるべく予定を入れたいという自分の気持ちが先行し、その日の医院長はかなり忙しそうでしたが、むりやりお願いしてお昼休憩のときに時間を作っていただけることになりました。
すでに11時をまわっていましたが、急げば間に合います。
クルマを走らせて、クリニックにつき、いざカバンをあけたら、あるはずのものがないのです。
請求書を届けに来たのに、請求書をオフィスに忘れてきたことにそのとき初めて気付きました。
そこから先の記憶はありません。
気づいたらオフィスに帰ってきて、机の上にある請求書を眺めていました。
自分のことばかり考えて、自分の気持ちを先行させてしまったが故に、ついに大切なお客さんの貴重な時間を奪って迷惑を掛けてしまったのです。
このままじゃダメだと思いました。
早く一人前になろうと思ってやった3つのこと
仕事を盗む
僕がいちばん意識したのは、OJT期間中に先輩の仕事術を盗むことでした。
同行の商談では何を話しているか(内容)より、どのように話しているか(話し方や言葉遣い)を意識して聞いていました。
また先輩がお客様に送っているメールにBCCで僕も入れてもらい、言い回しやあいさつ文など使えそうなものは、自分のメールにも引用しました。
できあがっているものをそのまま使うことは、まず最初にやった方が良いことで、最もスピーディーで効果的な方法だと思います。
ロープレを行う
とはいえ、頭では覚えた言い回しをわかっていても、いきなり実際のシーンでは使えないことも多いと思います。
そのため、同期の男の子と朝早めにきて電話対応のロープレを行いました。
2人1組で営業担当と企業担当者orスタッフさんに分かれて交互に練習しました。
電話対応することへの抵抗感が減ったことで、覚えた言葉を自然と引き出せるようになり、スムーズに話せるようになりました。
とにかくメモを取る
入社当時はメモを取るのは面倒くさいと思っていました。
しかし、あの大きな失敗をしてから、メモを取るようになりました。
新卒だった当時の僕は、タスクが多くなると余裕が無くなり、タスクが抜け漏れてしまうことが多々ありました。
数え上げればきりがありませんが、頭の中で覚えておくのは容易ではありません。
そこで手帳を使って、自分がこなさなくてはいけないものは細かく記録するようにしました。
手帳は毎日開きますので、忘れる心配はありません。
今でこそ当たり前にやっていますが、だいじなことなのです。
改めて振り返ると、社会人として色んな経験を重ねながら、どうすればもっと良くできるのかを考えながら進むことは大切だと感じます。
社会人としての成長が遅かった僕が何も考えず行動していたら、亀のような歩みだったと思いますが、創意工夫することで、少しずつ歩みを早めることができたかなと思います。
ライター:野口慎平
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